モチベーションを維持する

モチベーションを維持したい方へ

外国語学習で最も大きな課題は、いかにモチベーションを維持し、学習を続けるかです。

英語学習は毎日少しずつするのがいいのは分かっている。また、英語習得には時間がかかるのも分かっている。しかし、なかなか維持ができない。

モチベーションの維持の悩みにぶち当たったら、どのように考えればいいのでしょうか。

「日本語の自分」と「英語の自分」

ここでは、「日本語を話す大人の自分」と、「英語を学んでいる自分」を別人格として考えてみます。

「日本語の自分」は、話したいことを自由自在に表現することができます。また、社会人として相応しい表現方法や態度で話すことができます。「日本語の自分」は立派です。

それと比べて「英語の自分」は、まだ4歳児か5歳児のような感じがします。「英語で話す自分」は、

  • 言いたい単語が出てこない
  • 文法が正しいのか分からない
  • 発音が通じているのか不安
  • 社会的に相応しい表現になっているのか分からない

このように一気に不安だけらの未熟な自分になってしまうのです。

「日本語の自分」からみた「英語の自分」は頼りなく、情けなく、歯痒い存在になってしまいます。

「日本語の自分」は「英語の自分」に厳しい

そのような訳で、「日本語を話す自分」は、「英語を話す自分」に厳しく当たってしまいます。

  • あれだけ勉強したのにまだこれだけしか話せないのか!
  • ネイティブが言っていることは全く聴き取れないじゃないか!
  • 昨日勉強した単語をもう忘れているじゃないか!
  • 中高6年間も英語を勉強してこれだけか!

このように日本語の自分は、英語を学んでいる自分のダメ出しをして、時にはいじめてしまうことすらあります。

「英語の自分」を育てよう

ダメ出しがいつも悪いのではありません。自分ができなことを客観的に理解して、それを克服していくことは重要です。しかし、できないことばかりに注目すると英語の自分は凹んでしまって、伸びようという意欲がなくなってしまいます。

だから、「英語の自分」はまだ産まれたての赤ちゃんだと思って、もしくはまだまだ小さい子供だと思って、大切に育てようと考えてみてください。

できるようになったことを褒めよう

では、「英語の自分」を大切に育てるためにはどうすれば良いのでしょうか。まずは、できるようになったことに注目して、言語化して褒めてあげてください。例えば、

  • 「今日は、gratefulという単語を覚えて使えるようになった」
  •  「映画を観ていいて “How are you holding up?”が聴き取れた。この前勉強した表現だった。」
  • 「オンライン英会話で、日本のニュースをまとめて話したらいつもよりも良く通じた」

など、小さい進歩を言語化して褒めていくのです。

「英語の自分」の成長記録をつけよう

このような進歩は、「英語の自分」の成長記録、つまり学習日記(Learning Log)をつけると更に効果的です。

日記の付け方はどのような方法でも構いません。

  • 自分のモチベーションが上がるデザインのノートに記述する
  • スマホの日記アプリやその他のメモアプリなどを使う

ポイントは、無理しなくてもすぐに書ける方法であること、また英語の自分の成長の過程が見返しやすい方法であることです。

「英語の自分」の成長には時間がかかることを受け入れよう

「日本語の自分」がどれだけの時間を日本語習得に充ててきたかを考えてみましょう。社会で使われる基本的な語彙力や表現力を駆使して、不自由なく表現できるようになるまでに少なくとも12年、社会人として日本語を操れるようになるまでに18年はかかっているはずです。

第一言語と第二言語の習得過程や習得に必要な時間数は違いますが、「英語を半年も勉強しているのに全然しゃべれない」と自分を責め続けても、なかなか伸びる方向には向かいません。

「英語を話す自分」を受け入れよう

もう一つ、英語が話せるようになってきたところでぶち当たる障壁があります。それは、英語が話せるようになると、自分が自分でなくなってしまうのではないかという不安が出てくることです。

  • 「英語を話す自分」は、「日本語を話す自分」と人格が違うのではないか
  • 自分の性格が変わってしまうのではないか

英語と日本語では、まず音の発声の仕方が違うので、声が変わります。また、話すときの態度も変わります。そして、話す内容も変わります。

学習というのは、昨日の自分と変わることです。これは、語学だけではなく、あらゆる学習がそのような面を持っています。一つ知識が増えた自分は、もうその前の自分とは違います。こうして人間は成長していっています。

この成長は喜びであることが多いのですが、外国語学習の場合は、それが恐怖になることがよくあります。それは、言語がわたしたちの人格と密接に結びついているからです。

「英語を話す自分」は、英語を話さなかった時の自分とは違います。もしかしたら、賑やかで明るい話し方になるかもしれません。言いたいことをはっきり言う人になるかもしれません。でも、それはそれでいいのです。

外国語を話すようになると、今まで知らなかった自分に出会うことができます。どんな自分と出会えるか楽しんで、英語を話す自分を受け入れてみましょう。

「英語の自分」を受け入れれば、学習を継続しやすくなります。

まとめ

ここでは、英語学習を継続させるための考え方をお伝えしました。

  1. 「英語の自分」は、まだまだ成長の過程です。親になって子供を育てるつもりで、大切に接してあげてください。
  2. 「英語の自分」ができないことだけに注目するのではなく、できるようになったことを言語化して褒めてあげてください。成長日記をつけると更に効果的です。
  3. そして、育っていく英語の自分を受け入れてあげてください。英語を話す自分はもう昨日の自分と違うかもしれません。でもそれは成長の証です。学習を続けていけば、今まで知らなかった自分に出会うこともできます。楽しみながら進みましょう!